「流通基準」と「パフォーマンス基準」の決定的な違い
いつもありがとうございます。
極上カビなしコーヒーオーナーの亀井です。
一般的に「安全」とされるコーヒーと、私たちが追求する「クリーンな一杯」には、目指すゴールに大きな差があります。
1. 「総アフラトキシン」と「オクラトキシンA(OTA)」の温度差
現在、日本の法規制で厳格に運用されているのは「総アフラトキシン」の基準です。一方で、コーヒー豆においてより頻繁に問題となる「オクラトキシンA(OTA)」については、日本国内では明確な許容基準値が設定されていません。
EU(欧州連合)など、食の安全に厳しい諸国ではOTAに対して非常に低い基準値を設けていますが、日本では「基準がない=検査に引っかからない」という状態です。私たちは、日本の基準に甘んじることなく、世界で最も厳しい水準をクリアすることに意味があると考えています。
2. 「検疫」ですべてのカビが防げるのか
海上輸送中の水濡れや明らかな腐敗があれば、もちろん検疫で廃棄が命じられます。しかし、問題なのは「目に見えないレベル」の微量な汚染です。
コンテナ内の湿度変化によって発生した微細なカビは、麻袋の中ですべての豆に均一に広がるわけではありません。抜き取り検査という「点」のチェックをすり抜けてしまうリスクはゼロではないのです。私たちは、その「万が一」をも排除するために、輸入後のロットごとに自ら検査を行うという、二重三重の手間をかけています。
3. 焙煎による減少(90%)をどう捉えるか
「焙煎工程でカビ毒が最大90%減少する」という報告は事実です。しかし、これを逆説的に捉えれば、「10%は確実に残る」ということです。
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』の著者デイヴ・アスプリー氏が指摘するように、敏感な体質の方や、脳のパフォーマンスを極限まで高めたい方にとって、その「わずか10%」の蓄積が炎症を引き起こし、ブレインフォグ(脳の霧)の原因となります。「毒素が減るから安心」ではなく、「最初から毒素を含まない豆を選ぶ」ことこそが、真のクリーンな一杯への道です。
4. 産地での乾燥管理の「個体差」
産地での迅速な乾燥と適正保管が重要であることは間違いありません。しかし、ブラジルなどの大規模農園から、エチオピアなどの小規模農家まで、世界中の数えきれないほどの生産現場において、その管理体制には大きな「個体差」があります。
「日本に輸入されているから安心」という十把一絡げな考え方ではなく、個別の農園、個別のロットに対して科学的な裏付けを取り続けることが、最高品質を守る唯一の方法だと確信しています。
まとめ:私たちが「独自検査」を続ける理由
公的な機関が示す「安全」は、あくまで「多くの人が健康被害を受けないレベル」を指します。しかし、私たちが提供したいのは「守りの安全」ではなく、飲むことで心身を研ぎ澄ませる「攻めのクリーンさ」です。
-
基準がないからこそ検査する(オクラトキシンAへの対応)
-
10%の残存すら許さない(焙煎前のクリーンな豆選び)
-
公的検査を過信せず自ら動く(独自ロット検査の徹底)
この徹底したこだわりこそが、一般的なコーヒーとは一線を画す「極上」の体験を生み出します。
📚 出典・参考文献
-
デイヴ・アスプリー 著, 栗原潔 訳『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』ダイヤモンド社
-
厚生労働省「食品中のマイコトキシンに関する情報」
-
EU Commission Regulation (EC) No 1881/2006 (Contaminants in foodstuffs)