なぜ船便でコーヒーにカビが生えるのか?赤道を越える「過酷な輸送環境」の真実

極上カビなしコーヒーです。

私たちが毎日楽しんでいるコーヒー豆。その多くは、ブラジルやルワンダ、エチオピアといった遠い国々から数ヶ月かけてで運ばれてきます。

実は、この「船便での輸送」こそが、コーヒー豆にカビが発生する最大のチェックポイントなのです。なぜ、密閉されたコンテナの中でカビが繁殖してしまうのか。その驚きの理由を解説します。


1. 「コンテナ・レイン(結露)」という恐怖の現象

コーヒー豆を積んだ船は、赤道直下の熱帯地域を通過して日本へと向かいます。この際、コンテナ内部では「コンテナ・レイン」と呼ばれる現象が起こります。

  • 激しい寒暖差: 昼間の強烈な直射日光でコンテナ内部は高温になりますが、夜間や海水の温度によって急激に冷やされます。

  • 結露の発生: コンテナ内の空気に含まれる水分が、冷えた天井や壁面で水滴となり、まるで雨のようにコーヒー豆の上に降り注ぎます。

この水分こそが、乾燥していたはずの生豆に再び命を吹き込み、カビが爆発的に繁殖する引き金となるのです。

2. 「呼吸」を続ける生豆と湿度

コーヒーの生豆は、焙煎前であればまだ「生きて」います。つまり、周囲の環境に合わせて水分を吸ったり吐いたりする吸湿性が非常に高いのです。

  • 湿度の蓄積: 海上の湿度、そしてコンテナ内での寒暖差によって生じる湿気を、生豆がスポンジのように吸収してしまいます。

  • 麻袋の盲点: 一般的な「麻袋(ジュート)」は通気性が良い反面、外部の湿気を通しやすく、一度濡れるとなかなか乾きません。これがカビの温床となってしまいます。

3. 赤道通過による「高温多湿」の維持

カビが最も活発に繁殖するのは、温度が25℃〜35℃、湿度が70%以上の環境です。

日本へ向かう航路では、赤道付近を通過する際にこの「カビにとっての理想郷」の状態が数週間から1ヶ月以上も続きます。この長期間のストレスが、目に見えないカビ毒(マイコトキシン)を生成させるリスクを高めるのです。


コーヒーが「船便リスク」に打ち勝つ方法

輸送中のリスクをゼロにすることは困難ですが、私たちは以下の徹底した管理で、クリーンな豆だけを確保しています。

  1. 輸送方法の厳選: 湿気を遮断する特殊な素材(グレインプロなど)を使用した多重梱包や、可能な限り環境変化の少ないルートを選択しています。

  2. 日本到着後の「即時検査」: 船便という過酷な旅を終えて日本に届いた豆を、第三者機関でカビ毒検査にかけます。輸送中にカビが発生していないか、科学的にチェックします。

  3. 徹底した温度・湿度管理倉庫: 到着後の保管場所も、カビが活動できない低温・低湿環境を24時間維持しています。


まとめ:その一杯は、過酷な旅を「無傷」で終えたものですか?

コーヒー豆が日本に届くまでには、私たちの想像を絶する湿度と温度の試練があります。「安価な豆」は、こうした輸送コストを削ることでカビのリスクを高めているケースが少なくありません。

私たちが「カビなし」を証明し続けるのは、船旅という過酷な環境を乗り越え、本当にクリーンな状態で届いた「奇跡の豆」だけを厳選しているからです。

体と脳に優しい、一切の濁りがない一杯。その背景にある「守る努力」を、ぜひ味わってみてください。