【焙煎の秘訣】コーヒーの「えぐみ・酸味」の原因は?生豆の味を決める初期工程「水抜き」とは

極上カビなしコーヒーの店主亀井です。

コーヒーを飲んだ時、舌に残るような嫌なえぐみや、不快な酸味を感じたことはありませんか?

それは、もしかすると、そのコーヒーが「生焼け(なまやけ)」だったことが原因かもしれません。表面は美味しそうな茶色に焼けているのに、豆の中心まで十分に火が通っていない状態で、このような不快な味が発生します。

このような豆は、味が悪いだけでなく、中心部にカビが発生する可能性も高まります。


1. 「生焼け」を防ぐ:焙煎の初期工程「水抜き」

生焼けを防ぎ、クリーンで美味しいコーヒーを作るために、焙煎の初期の準備段階で行うのが「水抜き」という非常に重要な作業です。

水抜きが行われる段階

水抜きは、コーヒー豆を焙煎機に投入し、窯の温度が一旦下がってから再び上昇し、約160℃に達するまでの段階で行われます。

水抜きの目的

この低温から中温に達するまでの段階で、ゆっくりと時間をかけて豆の中心部まで熱を伝えます。これにより、コーヒーの味を邪魔するような余分な水分や、不快な雑味につながる成分を蒸発・昇華させるのが水抜きの主な目的です。

2. 水抜きを怠るとコーヒーの味が悪くなる理由

この水抜き工程をきちんと行わなければ、豆の内部に嫌な成分が残ってしまいます

  • 嫌な酸味・えぐみ: 中心部に残った水分と成分が熱によって不完全に変化し、舌に残るような「えぐみ」や「渋み」といった不快な味の原因になります。

  • 風味の不安定: 豆の内部と外部の水分量の差が大きいと、その後の焙煎工程で熱が均一に伝わらず、味の不安定さにつながります。

3. 極上カビなしコーヒーの焙煎へのこだわり

当社の焙煎では、この「水抜き」工程を非常に重視しています。

私たちが焙煎を行う際は、豆の種類や産地の特性、そして豆に含まれている水分量を正確に見極め、その豆に合わせた最適な水抜きを行っています。この丁寧な準備こそが、お客様にクリアで雑味のない、美味しいコーヒーをお届けできる秘訣です。

次回は、焙煎機の中で豆の中心部までどのように熱が伝わるのか、その科学的なメカニズムについてお話しする機会を設けたいと思います。楽しみにしていてください。